乾球温度・周囲気温(T)熱力学運動温度[乾球計・℃ / °F]
直射日光や外部放射熱、水分付着から遮蔽された標準温度計で測定される空気の物理的温度。空気分子の熱運動エネルギーの尺度であり、大気が保持できる飽和水蒸気量の理論的最大上限を決定づける基本変数です。
初期値: 20.0℃(68.0°F・標準室温)
相対湿度(RH %)水蒸気圧比[飽和度パーセンテージ]
その気温における飽和水蒸気圧に対して、現時点で空気中に実際に含まれる水蒸気圧の割合(RH = (e / Es) × 100%)。建築物環境衛生管理基準や厚生労働省、ASHRAEでは、呼吸器系の保護、肌や喉の乾燥防止、およびカビ菌糸の発芽・ダニ繁殖を抑えるため、室内湿度40%〜60%の維持を推奨しています。
初期値: 50.0% RH(室内至適快適ゾーン)
露点温度(Td)等圧冷却飽和相境界温度[℃ / °F]
一定の大気圧下で空気を冷却していった際、水蒸気が過飽和に達して気体から液体の水滴(朝露、窓ガラスの結露、霧など)へと凝縮・相転移し始める境界温度。外気温の変動に左右されない、大気中の「絶対的な水分含有量」をダイレクトに示す指標です。
初期値: 9.3℃(48.7°F・爽快で快適な領域)
飽和水蒸気圧(Es)熱力学的平衡水蒸気圧[hPa / kPa]
気温Tにおいて液体の水と熱力学的に気液平衡状態にある水蒸気分子が及ぼす最大分圧。アルデン・バック(Arden Buck)式などの実験式で算出され、氷点(0℃)の約6.11 hPaから常温(20℃)の23.38 hPa、過酷な高温(50℃)の123.5 hPaへと、温度上昇に伴い指数関数的に急増します。
初期値: 23.38 hPa / 2.338 kPa(気温20.0℃時)
実水蒸気分圧(e)大気中実測水蒸気分圧[hPa / kPa]
大気中に現実に存在する水蒸気分子が及ぼす物理的分圧:e = Es(T) × (RH / 100)。周囲の空気が冷却されて露点温度に達すると、実水蒸気圧が飽和水蒸気圧と一致(e = Es)し、凝縮(結露)が始まります。
初期値: 11.69 hPa / 1.169 kPa(気温20.0℃・RH 50%時)
露点降下度・温度差(T - Td)飽和不足温度マージン[℃ / ΔT]
乾球気温と露点温度の数値的な温度差。0℃のときは相対湿度100%の完全飽和状態を示し、濃霧や降雨、激しい結露が発生します。一方、15℃を超える差がある場合は乾燥した気候を示し、汗や水分が瞬時に蒸発する高蒸発環境となります。
初期値: 10.7℃(結露発生までの温度余裕度)
飽差・水蒸気圧飽差(VPD)植物生理・生気象蒸散駆動力[kPa]
大気が持つ乾燥力・水分引き抜き力を表す指標。植物の葉内(または皮膚表面)の飽和水蒸気圧と周囲空気の実水蒸気圧との差(VPD = Es - e)として算出されます。室内園芸や施設園芸、居住空間では0.8〜1.2 kPa前後のVPDを維持することで、植物の健全な蒸散活動と人体の呼吸器快適性が最適に保たれます。
初期値: 1.17 kPa(植物生育・居住至適レンジ)
表面結露安全マージン(T_surface - Td)塗装・下地露点安全温度差[℃ / ΔT]
窓ガラス、自動車フロントガラス、コンクリート基礎、鋼材表面などの個体基材温度と周囲空気の露点温度との温度差。国際工業規格(ISO 8502-4)および建築・塗装標準示方書では、結露・塗膜剥離・サビの発生を防ぐため、基材温度を露点温度より常に3.0℃(5.4°F)以上高く保つことが厳格に義務付けられています。
初期値: +5.0℃(ISO 8502-4 塗装安全基準適合)
容積絶対湿度(水蒸気密度)単位体積あたり水蒸気質量[g/m³]
空気1立方メートル(1 m³)の中に含まれる水蒸気の正味の物理質量(グラム数):AH = (216.7 × e) / (T + 273.15)。相対湿度とは異なり、水分の出入りがない限り、気温が上下しても絶対湿度の数値は一定不変を維持します。
初期値: 8.65 g/m³(空気1m³あたりの水分量)